2014年8月17日日曜日

バイク仲間と村おこし計画

前回の続きの2012年3月のこと。

かくして一行は再び轟音をたてて次々と出発する。やっぱり先導はC氏である。そのすぐ後ろに着いて行くのが私とKuzzyさん意外の唯一のHarley乗りであるS氏だ。いつも乗って来るHarleyが違うのだが、いつもツアラーだ。20人余いるのにハーレー率が意外と今回は少ない。

彼はヨーロッパやアメリカにKiwi達 (NZ人)を連れてHarleyで旅をする旅行会社を経営しているという。納得だ。走りも渋い。あんなに重そうなハーレーを軽々と扱っている。でも自慢のブツはハーレーではなくヘルメットらしい。

なんでもシューマッハがデザインに加担したとか、作らせたものだとかそんなことを言っていた。ジェット型でカーボンファイバーで作られていてとにかく軽いらしい。ガソリンスタンドなどでのちょっとした休憩中でも殆どヘルメットを脱がないのはかぶっていても気にならないというのが理由らしい。価格も$2000超えと言っていたからほぼ20万円くらいということだろう。ほほう。

道は右も左も何にもないという表現が正しいのかもしれない。目立つものはなく、ただただ荒野が広がっている。その殆んどは羊のファームだがあまりに広いパドックなので羊の姿もまちまちだ。時折、散水してある緑の芝があるところとただただ茶色の土地が広がるところと交互に現れる感じだ。

全体的に広い道で週末だからか交通量はほとんどない。みんなスカッと飛ばして行く。
とあるとこを左に曲がればBlue Lake (ブルーレイク)という単純な名前のきれいな湖があって、そのほとりには幽霊の出る有名なホテルがあるが、今回は行かない。ここに着いては今後のKuzzyさんとのツーリングで書こうと思っている。

Ranfurly (ランファリー)という町に着く。
初めてこの町を通過したのは18年程前だが、国道でたどり着いたこの町は右を見ても左を見ても栄えているとはとても言えない商店街が並んでいる。目的地方向の道路標識をたどりながら行くとぐっと左に曲がり、更にワンブロック進むと直角に左に曲らせた後直進だ。ん?と思う。来た方向に戻っているのだ。

すると今度は右に曲がっていてなんとなく目的地方向に向かう様になる。ふと見ると、やっぱり町に入る手前にも道があって、町の中を通らずに行く事もできるようになっているのだが、国道のサインはその道の入り口に出ていない。

普通の町であれば国道を迂回させて余計な車をを通らせない策を取るのだが、この町はその逆で、わざわざ一見さんを取り入れて町にお金を落とさせようというのだ。町おこし策なのだろう。
しかし、その初めに来た18年前とおそらく微塵も変わりがないと思う。策は果たして成功しているのだろうか。

ガソリンをそれぞれ補給する。何台も一斉にやるのでスタンド側も対応が大変だ。と言ってもセルフなので、レジが忙しいだけなのだが。きっと大賑わいでてんてこ舞いな感じなのだろうか。嬉しい悲鳴が聞こえてきそうだ。

85号から87号へ右に入ると道はぐっと狭くなるが流れるワインディングと小高い丘が出てきて風景もかわる。とても気持ちがいい道だ。




割とすぐに2軒目のカフェに着いてしまう。ランチタイムとなる。
我ら以外にも結構混んでいたのには驚いた。もちろんここも前出のオタゴトレイルを走る自転車の人達のオアシスの一つで成功しているのが要因だ。見事な村おこし計画だ。

ランチで同席したカップルと話す。ホンダを駆る彼はドイツ人で後ろにやっぱりドイツ人の奥さんを乗っけていて、奥さんも免許を持ってるのだが、まだ経験が浅いし、周りはみんなリッターバイクだらけなので、彼女の駆るちっちゃいのじゃあ足手まといになるという事で今回は後ろに乗っているらしい。

今回一人参加で来ている私から見てもちょっと目上のお姉さんは姿勢が良く、ぱりっとしていて笑顔を絶やさない革ツナギの似合うすてきな人はグリーンのトライアンフに乗っていて走りっぷりもものすごかった。

やっぱりこのクラブのリーダー格であるKiwiのカップルがいて、二人ともBMWに乗っている。彼らは真冬でも普段の足代わりに使っているので、良く見ることがある。

一通りのあちこちの人と挨拶程度の会話の後、ドイツ人の彼が気がついたことを言った。Kiwiはイギリス車やドイツ車に乗り、ドイツ人は日本車に乗り、日本人はアメリカ車に乗り、アメリカ人はイタリア車に乗ってると。当たってて面白かった。

カフェを出てからすぐを左に入った道は荒野を抜けるユニークな風景が続く。
団体で動くとちょいちょい写真撮影できない事が辛い。また是非訪れようと思った。


その先にはなんと金鉱があるという。わくわくして見物に行くと正に高みの見物でフェンス越しに遠くから掘っているのを指をくわえて見るばかりだった。国内最大級だという。この国にはまだまだ金が眠っているのだろうか。ゴールドラッシュがあった150年程前の賑わいはあのランファリーでもあったらしいが、今はもうすっかり無い。

こうしてぐるっと地図上にループを描いて我々は帰路についたのだった。





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