2015年2月27日金曜日

晴れ三昧の幸福日和? ツーリング初日。

2015年2月。
いざ出発である。

この夏、この時期にしてようやくロングツーリングができそうな時間ができた。天気予報を見ると今日明日は晴れで、うまいこと2日目の夜に雨が通り、3日目の走りには影響がなさそうだ。

Arthur's Pass(アーサーズ・パス) という峠が南島のほぼ真ん中を北西から南東にかけて貫通しているのだが、この道だけハーレーで抜けたことがなく、今回はここを通ることを目的とした。

出発前日に打電して新たなハーレー乗りになったMethven (メスベン)に住む友人RとTekapo (テカポ)でランチの為に1時頃に現地集合することにした。クイーンズタウンからは大体3時間、メスベンからは大体2時間弱の 距離。ちなみにRはまだ航続で100kmも走ったことがないという。彼にとっては初ツーリングみたいなものだ。これは楽しいイベントになりそうだ。


この時期、ホリデーなので、交通量が非常に多い。しかも海外旅行客のレンタカーが半分を占めているんじゃないかと気がするほど多い。ホリデー時の事故が多いのも当たり前である。特に中国、インドからやってくる人々の運転は非常に迷惑で恐怖であるので、本当に気をつけなくてはならない。モラルや交通ルールを守れないという問題だけではなく、人によっては車の動かし方自体が怪しく、左車線に留まれなかったり、ハイスピードに慣れていなかったりと、そもそもの問題であるから怖い。

何台もそんな車を前に後ろに対向車に見ながらクイーンズタウン近郊を抜ける。珍しくワイン畑で一枚。まだぶどうの身は小さいようだ。


しばらく行くと10台くらいの車の一団がいた。先頭車両が遅いのだがその後に付いている2台目、3台目も技量がないのか、抜けないでいるのだが車間が詰まっていて、抜く気満々のその後ろの車達が抜けないでいる。そうなると全体のスピードは先頭車両の速さで決まってしまう。法定速度では100km/hなのだが、大抵そういう車は80km/hそこそこで走っている。このまま1時間も走り続けられたら20kmも距離が違うのだ。本日400km走る予定の私は付き合いきれない。第一、ランチタイムが終わってしまうかもしれないではないか。

広い所で一挙にごぼう抜きしていくことができるのはバイクならでは。車の長さと幅ではこうは出来ない。やっと普通の巡行に移ることができてしばらくすると写真タイムだ。Lindis Pass (リンディス・パス)という峠だ。観光スポットになっていて、近年できた見晴台まであるが、そこを通り越して下から眺めることにした。でも写真は下向きに撮ってみた。

そして撮ってる間にさっき抜いた一行に抜かれてしまった。


ここを抜けると今度は真っ平らまっすぐな道がグーンとOmarama (オマラマ)
まで続くのである。車の一行の車間も順序もまちまちになってくることだろう。

私は見晴らしのいいストレートを走るとき、時々周りの景色に圧倒されてスロットルを緩めて進むことがある。80km/hくらいで流すとエンジンの鼓動がゆったりとなり、とても心地よいのだ。いわゆる昇天している感じと言えばいいのだろうか。

先ほどまでブチ抜いてきた車たちが不思議な顔して私の横を追い越していく。

ということで、また一枚。大乾燥地帯がやっぱり乾燥していた。
実はシーズン初めはなんとこの土地が芝生で真緑だったのだ。目を疑ったくらい信じられなかった。こんなところでそんなことは可能なのだろうかと思ったものだ。が、やっぱり元の茶色に戻っていた。緑は美しいが、この茶色の風景に見慣れてしまっていて、緑だと違和感がある。





大快晴に恵まれて最高峰のMt Cook (マウント・クック)も絶好調に光ってた。手前のブルーグリーンのLake Pukaki (レイク・プカキ)もすごい色を放ってた。





テカポのほんの一息手前の荒涼としたところもなぜか好きだ。なんもない大地に道路と平行に点々と電信柱が立っている。あの電信柱の切なさが好きなのかもしれない。悪天候にもめげずに立っているのだ、何も言わずに。昔見た日本のCMであった三丁目の電柱の歌を思い出した。





やっぱりハーレーはマフラーが見えるのでこちら側のアングルが好きだ。


予定より25分くらい遅れて(勝手に私はもともと遅れる予定にしていた)テカポに到着、友人Rもちょうど着いたばかりだと言ってくれた。10分くらいの差だったと思う。

久々の再会でテカポ名物サーモン丼を頬張りながらお互いの近況報告をする。ネットの力で離れていても結構お互いの近況を知っているものである。実際に会ったときはその詳細について聞くという会話の方向に時代は変わりつつあると感じる。

天気も最高だし、折角なので、近くの天文台があるMt John (マウント・ジョン) に登ることにする。もちろんバイクで。舗装路だけど、道が狭く急な坂でヘアピンも多いので、Rは躊躇したけども、もし一人だったら行かないだろうということもあり、行くことにした。

Rはそこそこ苦労しながらもちゃんと登ってきた。その見返りは素晴らしい景色だった。





初ツーリング記念にRの勇姿も撮って土産とした。
撮影のためにRはこの狭い道でUターンをしてきたのだが、おぼつかないその姿を遠く離れて見ていてもひどく滑稽だった。シート幅が私のと比べて広く、跨ると彼の背では両つま先ツンツン立ちなので、まだしょうがない。そのうち慣れてくるでしょう。





超ゆっくり下山してくるRをしばらく待ってから一緒に走り出すことすぐ、私の右腕に激痛が走った。前に覚えのある痛さだ。また蜂に刺された。この時期、蜂は活発に動き、しかも量が半端じゃない。確かに私の上下の革にはたくさんの蜂が当たった跡がある。袖口から入る確率を考えれば低いはずなのだが、ハンドル位置と角度でちょうど袖が正面を向いているとは言え、全く良く入るものだ。宝くじもこのくらい当たると良いのだが。

みるみる腫れてきたので、Rを置きざりにして、痛い右手でスロットルとブレーキをコントロールしながらテカポの町まですっ飛んで戻り、お土産屋に飛び込んだ。薬局などないのだ、この小さな町は。そこで手に入れたのが、プロポリスの原液。
これをたらっと一滴すると治りが早いと言われている。元々蜂が集めたものなので、毒を以て毒を制するというアイディアからきているのかもしれない。


その後、痛さは治まり痒さに変わって熱をずっと持ち続けた。その晩は腕をかきかきしながらRのシェフである奥さんの作ってくれた美味しいご飯をいただいた。

全体的に観れば幸せな日であったがその幸せぶりに”バチが当たった”のだろうか。

つづく。



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