2016年2月9日火曜日

新春! 3Days ツーリング パート3

帰る日。

ここはMethven (メスベン)カタカナで書くとなんか変な町の名前だ。とてもちっちゃいしすごい田舎。畑ばかりが永遠と四方八方に広がっている。麦やコーンやアブラナや色々だ。

家の窓の向こうに見えるのはこの町の唯一のゼニバコMt Hutt (マウントハット) スキー場があるが、もちろん冬の間しか、人はいない。ここの家主が家を建てたばかりの頃、もっとよく見えていた山だったが、隣人の防風林が大きく育ってきて、その山を半分隠してしまい景色を変えてしまったと嘆いていた。山が見えるからここに住むと決めたのにと。

あの木がもっと高くなって安全といえなくなる時が来たら切られるよと彼女を慰めた。風が超強い所でもあるので、その前に自然に倒れるかもしれない。
その時が来た時の彼女の嬉しそうな笑顔を想像した。

目覚めはスッキリだ。しかし実はまだ鼻が詰まっててなんとなく頭は重い。軽い風邪の症状だ。

私はここ半年以上、朝ごはんは取らないようにしていると伝えていたにもかかわらず、それを無視して作ってくれる。Kuzzyさんは喜んで貪ってた。コーヒーマシーンで入れてくれたロングブラックが体に滲みる。

いざ出発。
奥さんに別れを告げると3人の子供達も出てきて手を振ってくれる。一番下の女の子はまだ小さいが一番の目立ちたがり屋。誰に似たのだろうか。旦那は仕事で留守中でも、奥さんがちゃんとおもてなししてくれるということに感謝した。

さて、早速道に迷う。朝だけに、太陽がまだ低いところにあるのであちらが東だとはわかるのだが。まっすぐな道をとりあえず東に向かう。ずっとずっと不安になるくらい真っ直ぐだ。するといきなり、鳥がどこからともなく飛んできて、私のブーツを履いた右足のくるぶしくらいに当たり、エンジンとの隙間を抜けていった。インターコムで話し中だった我々だったが、私の悲鳴に驚いたようだった。
だいぶ後ろを離れて付いてくるKuzzyさんが見た時にはその鳥が道路でくたばっていたらしい。まあ、しょうがない。

何度も来ているので、かすかに憶えていた交差点を右に曲がる。おー、ここだ、ここだと。直角に近いコーナーを右に曲がると全開に近いくらいの加速でペースに乗る。と、とたん、また、鳥の大群が目の前を急によぎり、それを避けようと両足をグッと上げたら右足の靴底に、ゴンッと当たった。なんという確率だろうか。いわゆるライダーキックをしてしまい、鳥をまたもや倒してしまった様子だ。

先ほどの事故現場から今の事故現場まで2分と離れていないのにだ。びっくりである。それにしても鳥たちはどうして100キロで走る物体の直前をあえて横切ったりするのだろうか。
もし私が鳥ならそんなことはしないと思うが。


無我夢中でひた走る。天気は良い。結局、昨日の峠を越えてからMethvenに着くまでが悪かっただけで、あとはずっと天気が良い。素晴らしいツーリング日和である。

Tekapo(テカポ)までは2時間くらいあったのだが、あっという間に着いた気がした。人気の日本食のレストラン、ランチの予約をしていてよかった。たった二人だけども、最近は入れないときもある。以前は一人でも入れなかったほどだ。テカポには店が足りない。

いつもの納豆サーモン丼を食べた後、お勧め上手のお姉さん店員から聞いた驚きのたった$3の手作りクッキー付き抹茶アイスクリームを別腹に入れ超満足した我々はまた走り出す。

最高峰のMtCook (マウントクック) が目の前に見えるプカキ湖に着くとぼんやりと晴れていた。


レンタルカーが非常に多い。みんな景色のいいそこかしこで急ブレーキを踏む。風物詩みたいなものだ。でもそれが数ヶ月続くのだが。

Omarama(オマラマ)ではいつものカフェによりまたコーヒーブレイク。なんか好きなのだ、ここは。店員にも名前まで憶えられている。以前仕事でこのちっぽけな村に滞在が長かったことがあるからだのだが、でも実は、彼らのビジネスは最近日本の観光ツアー会社と密接になっているということも関係しているのだろう。カフェにくっついた服屋では数人の日本人が雇われている。カフェで働くここのオーナーの娘も日本に留学生で行ったことがあるらしく、とても好感を持っているそうだ。

日本を嫌われないようにしないと、と私もわずかながら彼らの前では背筋を伸ばしてしまったりする。

もう、ここまで来るとなんとなく庭を走っている感覚になる。確かに2時間はあるのだが、コーナーのの一つ一つを覚えているとまでは言わないが、見慣れている風景だ。きっともっともっと時間をかけて走っていけば、新発見もあるのかもしれないが。脇道もそれてしまえば、まだ未知の世界だが、ほとんどは砂利道なのでハーレーで入ることはない。

この2時間の道のりは過去二日間の感想と反省と思い出と、ずっとずっと走りながら家路に着いた。天気に恵まれ、カフェではいろんな目にあい、人と出会い、美味しい食事にありつき、何しろ無事に帰ってきた。それぞれの家族が待つ家に。

実際のところ、彼らは別に待ってた訳ではいなかったようだが。
また行こう、と思った。




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